ワイアット・アープ

志は高いが欲張りすぎた

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 西部劇の古典と現代版には決定的な違いがある」。
古典は伝説を語り、現代版は伝説を破壊する。
 伝説的保安官ワイアット・アープを扱った作品では、無口で冷静なヘンリー・フォンダが.
荒野の決闘で神話を作り上けた。
一方、ローレンス・カスタン監督の ワイアット・アープは、ワイアットの半生をたどった史実に近い作品だ。
この映画は、ワイアットを悲劇の主人公として描こうとしているらしい。
ケビン・コスナー扮する若き弁護士ワイアットは、最愛の妻を失って酒に溺れ、やかてタフな保安官として活躍するようになってからも心は閉ざしたまま。
映像は見事だし、6000万ドル投じただけあってセットも凝っている。
音楽も重々しい。
これはスケールか大きく荘厳で、ひどく退屈な作品だ。
敗因は、事実と伝説の両方を欲張った点にある。
その結果、典型的な出来の悪い伝記映画になってしまった。
器は立派だが、中身は空虚でまとまりかない。
コスナーもワイアットを演じるなら、俳優生命をなげうつ覚悟で冒険してほしかった。
このワイアット・アープは西部劇の古典でも現代版でもない。
ただの下手な作り話だ。

【1994.7.13】
監督 ローレンス・カスタン
主演 ケビン・コスナー   


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